【新唐人2016年3月6日ニュース】
ロイター通信によると、中国政府は今後2、3年以内に国有企業に向け、600万人の人員削減を行うとされ、これらの人員をどうするかは今後中国当局が直面する大きな課題となります。
ロイター通信は3月1日付けの報道で、信頼できる2人の情報筋の話として、中国政府は今後2、3年以内に「生産停止」、「赤字」、「債務過剰」、「政府と銀行の援助で運営する」などの問題を抱える国有企業に向け、500〜600万人をリストラすると報道しました。国有企業の削減人数は過去20年間で最大規模となります。
分析によると、これらの国有企業の債務を消化するには、膨大な資金が必要で、実際リストラする人数や、政府の支出なども予測を上回る可能性があると指摘されています。
当局は「社会安定の維持」を第一方針としていますが、大規模リストラによりどのような社会問題が持たされるのか専門家の分析を聞いてみましょう。
米ケイトー研究所・客員研究員 夏業良さん
「中国共産党は社会安定を維持するための一連の手法をもっています。社会安定の維持を第一方針としているため、すぐには数百万人を失業させないでしょう。しかし他の隠れた手口で、失業させることは考えられます。例えば会社は退職させないですが、給与を全額で支払わなかったり、十分な福利厚生を与えなかったりして、会社を勤めていても、収入は少なくて、日常生活の維持に支障がでる恐れがあります」
米国シティ大学・夏明教授
「2008年リーマン・ショック以降、多くの外資企業が中国から撤退しました。中国経済が低迷している中で、さらに数百万人が失業すると、政治的な問題だけでなく、大きな社会問題を引き起こすでしょう」
2月29日、中国人力資源社会保障部の尹蔚民(いん いみん)部長は、退職年齢を引き上げる「退職延期」の法案を来年正式に発表する予定だとし、中国社会保険の赤字の噂が再び民間で広がりました。
アメリカ・シティ大学の夏明教授は、過去数十年以来、中国は急速な経済発展をアピールしてきましたが、「退職延期」の提出は中国の乏しい国庫の現状を表していると指摘。一方、両会では、今年は軍隊の出費を引き上げるなどとされ、「大砲とパンが限られた財源を奪い合っている」と指摘しました。
米国シティ大学・夏明教授
「中国ではまだ半分以上の人口が農村部にいます。もし彼らが失業して、さらに社会福利の援助も受けなくなると、これは生計に関わる問題です。中国人にとってもっと辛い日々がやってくるのでしょう」
近年、中国は失業率が上昇し、労働者による抗議事件が急増しています。統計によると、去年一年間でストライキや抗議事件などが2800件近くあり、2014年の2倍となります。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/03/03/a1255697.html(中国語)
(翻訳/吉田 ナレーター/水田 映像編集/李)